ティファニーで朝食を 映画のあらすじ(ネタバレ)、名言、セリフ
BREAKFAST AT TIFFANY'S (1961)
ティファニーで朝食を
おしゃれで小粋なロマンティック・コメディですね!
カポーティの小説を映画化したものですが、小説とは別物という感じ。
この作品が名作なのは、主演のオードリー・ヘップバーンの魅力によるところが大きいと思います。
ヘンリー・マンシーニ作曲の有名な「ムーン・リバー」は素晴らしいです!
冒頭からこの音楽が流れ出して、シックな黒いドレスに身を包んだオードリーが、ティファニーのウィンドウに佇み、コーヒーを飲みながらクロワッサンを食べる。
このシーンで一気に映画の世界に引き込まれてしまいました(^^)
映画のあらすじ(ネタバレあり)
ホリー(オードリー・ヘップバーン)は、自由奔放な精神を持った不思議な女性。
「自分が本当に求めている理想の場所に出会えるまでは、何も所有しないし、所有されたくない」
そう言って、部屋には必要最低限の物しか置いていないし、猫にも「たまたま川辺で会って一時的に一緒に暮らしているだけ」として名前をつけていません。
ある日、彼女の部屋の真上に、作家を志している青年・ポール(ジョージ・ペパード)が引っ越してきます。
ホリーは穏やかな優しいポールに、軍隊生活をしている弟・フレッドに似ているものを感じて、親近感を覚えます。
ポールもまた、不思議な魅力のあるホリーに惹かれ、二人はたちまち仲良くなり親友のような間柄になります。
友人同士として付き合ううちに、しだいに二人の間に恋が芽生えます…
英語のセリフと名言
ポールはホリーに愛していることを告げますが、ホリーは彼を愛していながらも、「誰にも所有されたくない」と深い関係になるのを拒みます。
その会話の際のセリフです。
belong to~ ~に所属する
put ~ in a cage ~をケージ(檻)に入れる
人を愛し愛されることを「檻に入れられる」ことだとして、激しく拒否反応を示すホリー。
彼女はポールの気持ちを拒み、自分の夢=理想の場所を見つけることを追い続けようとします。
ホリーは野生動物のように純粋に、本能的に「自由」を求める心があって、それが彼女を特別な存在にしているのだと思います。
でもそれゆえに自分が本当に愛し、大切にしているものがわからなくなり、見失ってしまいそうになります…
そんなホリーに向かってラストに言うポールのセリフが心に響きました。
terrified 恐れている
stick in 突っ込む
no matter ~ ~しようと何だろうと
「君は自分で作った檻の中にいて、どこへ行こうとも自分自身にしかたどりつけないんだ」
このセリフは名言だと思いました。
自由な精神を追い求めるつもりが、束縛されるのを恐れるあまりに人を愛することが出来ず、結局ホリーは自分自身以外のどこへも行けなくなってしまっていたのですね。
ポールのこの言葉がホリーの心の救いとなって、南米に行こうとしていた彼女をとどめることになります。
おしゃれなロマンティック・コメディとして気軽な気持ちで観ていたのですが、ラストシーンでは、私も知らず知らずのうちに自分自身で作り上げた檻の中に自分を押し込めていないかどうか、ちょっと考えさせられてしまいました。