サイドウェイ 映画の英語のセリフ、あらすじ(ネタバレ)、評価感想
SIDEWAYS (2004)
サイドウェイ
親友同士の中年男性二人のロード・ムービー。
冴えない教師のマイルス(ポール・ジアマッティ)と、売れないテレビ俳優のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)。
ジャックが結婚することになり、独身最後の男同士の時間を楽しもうと、二人は車に乗って旅に出ます。
まじめでちょっとネガティブ思考のマイルスと、能天気な不良中年のジャック。
性格の対照的な2人のやりとりを聞いているだけでも結構おかしいです(^^)
旅先での2人の恋愛や、ハプニングがユーモラスに描かれています☆
あらすじ(ネタバレ)と感想
マイルスとジャックはカリフォルニアでワイナリーやワイン畑を訪ねる旅をするのですが、ジャックの思惑といえば、ワインはどうでもよくて、独身最後に女の子と思いきり遊びたいということばかり…。
彼らはステファニーとマヤという素敵な女性たちに出会い、ワインの話で意気投合して、仲良くなります。
四人がワインを飲みながら楽しく語らうピクニックシーンが爽やかで、楽しそう。とても良かった☆
エキゾチックで野生的な雰囲気のあるステファニー(サンドラ・オー)もいいですが、ヴァージニア・マドセン演じるマヤが、知的でありながらセクシーで、優しい温かみもあって、魅力的でした。
マイルスはマヤに惹かれますが、会話の流れでつい「自分は作家だ」と嘘をついてしまいます。
彼は小説を書いていて、作家を目指しているのですが、まだ出版されたことはないのでした。
気になる相手には自分をよく見せたいものですよね…
英語のセリフ
マヤがマイルスに気があるそぶりを見せても、マイルスは自分がうそつきだとわかったら彼女がどんな反応を示すのか怖くて、中々前へ踏み出すことができません。
マイルスのそんな不安な気持ちが表れたセリフです。
essentially どうしたって
evaporate (希望などが)消えうせる
you are not in the game
(恋の)ゲームにさえならない
「お話にもならないよ」というニュアンスですね。
自分に自信が持てず、恋にも積極的になれないマイルス。
彼はずっとウジウジしているんですが、嘘をついたことで後ろめたさを感じるというのは、誠実さの表れでもあるんですよね。
しゃあしゃあと嘘をついて浮気を楽しむジャックに比べて、大分まともに見えます…
身勝手なジャックのキャラクターもそれはそれで面白いんですけどね(^^;
結局、ジャックが婚約中の身でありながら、ステファニーを騙して遊んでいたことがわかり、それを知っているのに黙っていたマイルスも、マヤに嫌われてしまいます。
マイルスはマヤに電話をかけて、自分の気持ちを真摯に伝えようとします。
turn out 結果として~になる
マイルスは自分が本当は作家ではないことを打ち明けます。
嘘をついていたと告白し、虚飾を取り払い、ありのままの自分自身を好きな相手に見せるのは、勇気と覚悟のいることですよね。
最後に誠意を見せたマイルスをかっこいいと思いました!
ラブストーリーとしても、コミカルな友情物語としても、楽しめる映画だと思います。
美しいワイン園の風景もすばらしかったです(^^)
パンチドランク・ラブ 恋愛映画の英語のセリフ、あらすじ(ネタバレ)
PUNCH-DRUNK LOVE (2002)
パンチドランク・ラブ
ちょっと奇妙でチャーミングなラブストーリー。
主役を演じるアダム・サンドラーがすばらしい!
まじめに、一生懸命に生きているのだけれど、自分ではどうにもできない心の爆発的な発作を抱えた主人公を、等身大に演じています。
彼が一生懸命であればあるほど、周りからは滑稽に見えてしまうのが、物悲しくて、見ていると愛おしい気持ちになります。
映画のあらすじ (ネタバレ)
主人公のバリー(アダム・サンドラー)は、精神状態にちょっと問題を抱えています。
普段はおとなしいのですが、怒りをコントロールできなくて、突然キレて暴れ、物を壊したりしてしまう。
あるいは突然泣き出したりしてしまう。
それというのも彼には7人の姉妹がいて、彼女たちにこづき回されたり、からかわれたりして育った結果、彼の人格形成に問題が生じた様子…。
彼女たちとしては彼を可愛がっているつもりなのでしょうけど、始終「おもちゃ」にされてはたまりませんね。。
7人の姉妹が登場するシーンでは、彼に同情を覚えずにはいられません(^^;
お姉さんたちに昔の子どもの頃のことをからかわれると、途端に頭にかーっと血がのぼって、リビングのガラスを割ってしまいます。
そんな彼に初めてガール・フレンドができるお話です。
ガール・フレンドのリナは、落ち着いた大人の女性で、行動力もあり、人生経験も豊富。
リナを演じるエミリー・ワトソンが自然体で素敵です☆
リナはバリーの心の状態にちょっと問題があることを知りながらも、彼を好きになっていきます。
彼女は彼の中にある本質的な優しさ、誠実さに惹かれたのだと思います。
バリーにとっては初めての恋なのかな?
夢中になる彼の行動がユーモアを込めて描かれていて、見ていて微笑ましい(*^^*)
英語のセリフ
バリーはマイレージ・キャンペーン中のプリンを大量に買いあさり、それを交換してマイレージを貯めようとがんばります。
プリンが仕事場に山のようにどんどん溜まっていくのがおかしいのですが(笑)
そして仕事柄出張の多いリナに「数ヶ月待ってくれれば、君と一緒に旅行できる分のマイレージが貯まるよ」と言います。
そのセリフがキュートでした。
「君がいないところにはもう居たくない」というのは甘い言葉ですね~☆
彼は道端に捨てられたオルガンを拾ってきて、事務所でたどたどしく練習するのですが、恋をしたことで、彼の心の中に優しいメロディが鳴り響き始めたのかなあ、と思いました。
そんな彼を後ろからそっと抱きしめるリナ。
ラストシーンも最高です!
観た後にふわ~っと優しく温かな気持ちになれる映画でした(^^)
「dTV」というエイベックスの映像配信サービスで観ました。
恋におちたシェイクスピア 恋愛映画のセリフ、名言、あらすじ(ネタバレ)
SHAKESPEARE IN LOVE (1998)
恋におちたシェイクスピア
舞台となっているのは16世紀末のロンドン、かの有名なシェイクスピアの若い頃を描いた映画です。
とはいっても忠実な伝記映画というわけではなく、かなりフィクションが入っています。
そのフィクション部分がシェイクスピア劇なみに波乱に富んでいていて面白いです♪
あらすじ(ネタバレ)
シェイクスピアはあるダンス・パーティーで富豪の令嬢・ヴァイオラに見惚れます。
このダンス・シーンはこの映画の中でも、特に印象に残るロマンティックな場面のひとつでした(*^^*)
お芝居ファンのヴァイオラは、劇作家の天才であるシェイクスピアのことを崇拝していて、2人はダンスをしながら見つめあい、恋に落ちます。
シェイクスピアを演じるジョセフ・ファインズの、鋭く射るような目が素敵☆
ヴァイオラは演劇への情熱から、なんと男装してオーディションを受け、「ロミオとジュリエット」のロミオ役を勝ちとります。
シェイクスピアはそうとは知らずに男装した彼女の演技力に惚れ込みます。
やがて親密になっていくにつれて、彼は彼女の正体に気がつきます…。
グウィネス・パルトロウ、美しく可憐なお嬢様役がいかにもぴったりですが、中性的な男装姿も魅力的ですね☆
2人は愛し合うようになるのですが、ヴァイオラは女王の側近であるウェセックス卿との結婚が決まっている。
天才劇作家・詩人であるとはいっても、シェイクスピアとは所詮身分のかけはなれた恋。
中世において身分違いの恋愛はあり得なかったのですね。。
結ばれない運命にあり、別れが来ることを知っていることの切なさ。
2人は恋の情熱を「ロミオとジュリエット」の舞台にかけるようになります。
英語のセリフ、名言
ヴァイオラの婚約者であるウェセックス卿(コリン・ファース)が、彼らの関係を知ってしまい、ヴァイオラはシェイクスピアが殺されたと思い込みます。
彼が生きていると知ったときの彼女のセリフに、彼に対する愛情が表れています。
beyond ~以上に、~を超えて
シェイクスピアの詩人としての才能を超えて彼自身を愛している、と彼女は言っているのですね。
It will come
「私たちの終わりは来るのね」と言う言葉が切ないです…。
敵同士の許されない純愛を描いた名作「ロミオとジュリエット」のストーリーが、2人の恋とオーバーラップして切なさが否応にも増します。
2人の別れのシーンは涙なしには見られません。。
でも彼らは現実の世界で離れ離れになっても、彼の今後の作品の中においてつながっていくことが約束されます。
「彼女は永遠に私のヒロインであり続けるだろう」というシェイクスピアの最後のセリフが心に響きました。
ラストのフィクションと現実の錯綜するような演出はお見事。
一人浜辺をまっすぐに歩いていくヴァイオラの後姿に、別れの哀しみだけではない、これからやってくるであろう未知の世界への希望が託されています。
本筋はラブ・ストーリーですが、達者な俳優たちの競演や、華々しい乱闘シーン、女王様崇拝の根強い中世の雰囲気なども面白くて楽しめました☆
ONCE ダブリンの街角で 恋愛映画のセリフ、あらすじ、感想
ONCE (2006)
ONCE ダブリンの街角で
音楽への愛情に満ちた、優しく素敵な映画。
この映画の主役は音楽そのものなのだと思います。
でもミュージカルとは違う。
そういう点では変わった映画なのかもしれません。
映画のあらすじ(ネタバレ)
ダブリンの街角で穴の開いたギターを弾きながら歌う男と、チェコからの移民であるお花売りの女性が出会います。
彼女もピアノを弾くことができて、楽器店でピアノを弾き、彼らは一緒に演奏します。
音楽の交流を通して、彼らの心は通じ合っていく。
彼らはどちらかというと寡黙な人たちで、セリフは多いとはいえないし、彼らが自分の気持ちを語るシーンも少ないのですが、その分歌で表現されています。
その歌が痛いほど心に響いてきます…
男は彼を捨ててロンドンへ行ってしまった前の恋人のことが忘れられず、彼女への愛情や怒りや、後悔を曲にこめて歌います。
チェコの女性は曲を聴きながら、彼の気持ちを理解します。
彼女もまた、故郷に残してきた夫への複雑な思いを歌います。
彼らの奏でる音楽や、重なり合うハーモニーが、素敵で、心にまっすぐ届き、聴いていて心地よいです♪
英語のセリフ
家を行き来し、2人は徐々に親密になっていきます。
彼らがバイクに乗って海辺をドライブするシーンが美しかった☆
海の見える丘を散歩しながら、彼は彼女に夫のことを尋ねます。
彼女は「娘を妊娠しているとわかったときに結婚したの。でもうまくいかなかった」と彼に言います。
It's over 終わった
on my own ひとりで、自分自身で
彼は彼女にまだ彼を愛しているか訊こうとします。
教えてもらったチェコ語で訊いた彼に対して、チェコ語で答える彼女。
"Miluju tebe"
彼は理解できずに、「え、何て言った?」と訊き返しますが、彼女は優しく微笑むだけ…
その言葉の意味がわかると、物語の成り行きがひどく切ないものに感じられます。
(ここで書いてしまうとネタバレになっちゃうかな、と思いますので、気になる方は検索してみてくださいね。
ネットの翻訳サービスを使うとすぐに出てきます。)
音楽以外の実生活の面では、どこか彼を遠ざけるようだった彼女の、本当の胸の内が垣間見えるシーンでした。
彼らの過ごした時間は限られたものであり、その関係は音楽の演奏にとどまることになった。
でも彼らの関係は魂の交流ともいえるものであったし、その濃密さと美しさにおいてかけがえのない時を共有したのだと思います。
タイトルの"ONCE"に、その大切な時間への愛情や思い出がこめられているように思います。
温かい音楽に包まれ、素敵なひと時を過ごせました。
映像配信サービスの「dTV」で鑑賞しました。
ここは月に500円で映画が観放題です。
アバウト・ア・ボーイ 映画のネタバレあらすじ、英語の名言とセリフ、評価感想
ABOUT A BOY (2002)
アバウト・ア・ボーイ
ヒュー・グラントが、少年がそのまま大人になったような主人公を好演しています!
いかにも二枚目の役より、こういういわゆるダメ男役を演じている時の方が好きかも(笑)
映画のストーリー(ネタバレ)と英語のセリフ
主人公・ウィルは38歳の今に至るまで、きちんと働いたこともなく、女性との真剣なお付き合いもしたことがないという人。
気ままで自由な一人暮らしを心から楽しんでいる。
そんな彼がある日、恋愛の相手としてシングル・マザーが最適であると思い立ちます。
なぜなら彼女たちとは割り切った関係を、後腐れなく楽しむことができるから。
彼がそれに気づいて有頂天になる様子はおかしい(笑)
thousands of ~ 何千もの~ たくさんの~
fabulous すばらしい、すてきな
彼はワクワクしながらシングルマザーとの出会いを求めて、あるシングル親の会に参加します。
彼はシングルマザーの美女を追いかけているうちに、彼女の親友の息子であるマーカスという12歳の少年と出会うことになります。
マーカスはなぜかウィルを気に入ったらしく、放課後に毎日彼の家に遊びに来るようになったので、彼の悠々自適な生活が脅かされることに…。
マーカスはうつ病の母親を持ち、学校ではいじめにあっていて、深刻な悩みを抱えています。
それでも弱音を吐かず、悲しみや辛さを懸命にこらえて表に出さないようにしている。
そして気分の塞ぎこみがちなお母さんをどうにかして助けたい、幸せにしたいと願っている、とても健気な子です。
そんなマーカスと付き合っているうちに、ウィルも少しずつ変わっていき、マーカスに対して友情のようなものを感じるようになります。
この2人のやりとりは、大人と子どもの会話ではなくて、あくまで対等な者同士として話をしていて、見ていて微笑ましかったです☆
ウィルの、大人のように上から目線でお説教したりしない、少年のようなところをマーカスは気に入ったのかもしれませんね(^^)
ウィルはあるパーティで出会ったシングル・マザーのレイチェルに、柄にもなく真剣に恋をしてしまいます。
レイチェル役のレイチェル・ワイズ、ハスキーボイスが魅力的でセクシーですね☆
恋をしたことで、ウィルは初めて自分が人生で何も成し遂げいないことに後ろめたさを感じます。
ウィルは彼女に自分は空っぽだと打ち明けます。
blank 空っぽである
恋をすると、自分のことを相手によく知ってほしいと思って、話をしますよね。
そのときにウィルには自分について話すことが何もなかったのですね…
彼は自分の人生の空虚さに気がついた。
自分が空っぽであり、興味深い話題を何も提供できないことに、彼は落ち込みます。
でも、彼は本当には空っぽなんかではなかった。
なぜなら、彼にはマーカスという友達がいるのだから…
人間関係を煩わしいと思っていたウィルが、マーカスのことを心から心配し、彼のために人肌脱いで、ラストに学校のステージに駆けつけるシーンでは泣けてきてしまいました。
コメディタッチで、肩が凝らず笑いながら楽しく観られて、でも時々ホロリとさせられる良作です☆
ラストシーンにも温かな気持ちになりました。
マイレージ・マイライフ 映画の名言、あらすじ(ネタバレ)感想
UP IN THE AIR (2009)
マイレージ・マイライフ
ジョージ・クルーニー主演映画。
ジョージ・クルーニーは相変わらずハンサムで素敵ですが、彼の演じる主人公はちょっと不思議な人物です。
あらすじ(ネタバレ)と感想
主人公・ライアンの職業は、企業から依頼を受けてリストラを社員に通知すること。
要するにクビ切り人なのです…
人に絶望を与えるそんな仕事、私だったら絶対いやだなあと思うのですが(^^;
ライアンは淡白にビジネスライクに仕事をこなしています。
仕事柄、出張が多く、飛行機で国内を飛び回り、一年のほとんど家に帰らない生活。
彼は結婚もせず、自分自身の家も持たず、必要最小限の物しか所有しないことをモットーにしています。
とにかく身軽であることが彼にとっては最優先事項であるようで、人間関係についても、深みにはまらないように気をつけています。
彼の人生と同じように、映画自体も軽快にテンポ良く進んでいきます。
彼が手際よく旅をするシーンのカットがスタイリッシュ。
主人公に共感できないところが、むしろ面白くて、「この人はこの先どうなるんだろう?」と興味深く観ることができました。
英語のセリフと名言
部下のナタリーとの会話で、ライアンは結婚願望が全くないときっぱり言い切ります。
うーん、随分淡白ですよね(^^;
自分の家族とも距離を置いているし、すごく親しい友人がいるわけでもなさそう。
仕事で忙しく飛行機に乗ってばかりいて、夢というか人生の目標はマイレージを貯めることだけ。
虚しさを感じないのかな?と思ってしまいますが…。
そんな彼が、アレックスという女性と出会います。
彼女は彼と同じように出張の多い多忙な生活を送っていて、価値観が似ているので、二人は気軽な遊びの恋愛関係を楽しむことになります。
アレックス役のヴェラ・ファーミガ、素敵です(*^^*)
知的で、でも気取りのない美しい大人の女性ですね~
ナタリー役のアナ・ケンドリックも意志の強そうな瞳が印象的で可愛らしいです☆
アレックスと、部下のナタリー、2人の女性と接するうちに、しだいにライアンの頑なな性格がほぐされていく様子が描かれています。
彼は人との真の関係を築いてこなかったこれまでの生き方に初めて疑問を感じるようになり、恋人との親密なつながりを求めようとします。
でも、最後のアレックスのセリフで、彼とはあくまで遊びの関係であり、本気の恋愛対象ではなかったことが明らかになります。
escape 避難場所
break 一休み
女性をあくまで気軽な遊びの対象としてしか見てこなかった彼は、相手からも同じように思われていたのですね。
人にしたことは自分に返ってくるものなのですね…。
ラストのライアンの、途方にくれたような表情が寂しい。。
でもともかく、人との親しいつながりを求めている自分に気がついただけでも、彼は一歩前進したのだと思います。
”遊び”の関係で終わってしまったとはいえ、ライアンとアレックスがパーティでダンスをしたり、ボートに乗ったり、小学校に忍び込んだりするシーンが温かい親密さに満ちていてとても良かったです☆
2人がうまくいかなかったのが残念ですが、一人の男性の心境の変化が丁寧に描かれたヒューマンドラマだと思います。
ロスト・イン・トランスレーション 映画のあらすじ(ネタバレ)と英語のセリフ
LOST IN TRANSLATION (2003)
ロスト・イン・トランスレーション
「翻訳される途中で失われてしまう」といった意味合いのタイトルが印象的です。
ビル・マーレイとスカーレット・ヨハンソン主演の映画。
ソフィア・コッポラ監督作品です。
この人は感性豊かな映画を撮る人ですね☆
この映画の舞台となっているのは東京。
CMの撮影のために東京に滞在している映画スターのボブ(ビル・マーレイ)が主人公です。
CMの撮影現場で、ディレクターが日本語で熱く語っていることを、通訳者が適当にかいつまんで訳すのだけれど、ディレクターの説明の半分も彼には届かない…
言葉が理解できず戸惑う気持ち、意志の疎通がままならない心細さを、ビル・マーレイがコミカルなとぼけた表情の中にうまく表していました。
それにしてもこの人はおとぼけ顔がよく似合います(笑)
映画のあらすじ(ネタバレ)
ボブはホテルのバーで飲んでいるときに、アメリカ人の若い女性・シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)に出会います。
シャーロットはカメラマンの夫が日本で仕事をするので、同行して東京にやってきたのはいいものの、特にやる事もないし、手持ち無沙汰に過ごしている。
彼女は感受性の豊かな女性であるようで、華道を試してみたり、京都のお寺を訪ねてみたり、異文化を体験しながらも、癒されない孤独な心を抱えています。
彼女が一人で京都を歩くシーンは静謐な雰囲気で美しかった!
ボブとシャーロットはバーで話を交わして以来、打ち解けて好感を持ち、お互いに馴染めないでいる東京という街で、一緒にいると安心できる仲間のような存在になります。
2人が手をつないで、ネオンの輝くまばゆい夜の街を逃げるように走るシーンが良かったです☆
彼らがお互いに抱いている親密な気持ちは、友情と恋愛の狭間のような、微妙なものなのでした。
2人とも既婚者だし、それぞれ戻る場所があるのですね。
英語のセリフ
シャーロットは2人で東京で過ごした時間を愛おしむように、ボブに「もう二度とここには来ないことにしましょう」と言います。
whatever you say 君の言うことは何でも
2人で過ごした時間が楽しかったから、それ以上に楽しめることはもうきっとないから、この思い出のためにもう東京には来ないことにしましょう。
シャルロットはそう言っているのですね。
彼らの関係は異国の地・東京でしか成立し得なかったものなのかもしれません。
でも2人の心の交流は特別な何かであったと思うし、そのことを最後の雑踏のシーンが示しているのだと思います。
ボブがシャーロットに何を囁きかけたのか… そこは観客の想像に委ねられますが、ラストのシャーロットの泣きそうな笑顔が心に残りました。
異国での孤独な心情を描いた良作だと思います。
外国人から見た東京の風景、日本文化も興味深かったです(^^)
「dTV」という映像配信サービスで配信されていたので観ました。
ここは月に500円で映画が観放題なので、格安だと思います。
初めの31日間はお試し期間なので無料で観れました。