ギター弾きの恋 映画のあらすじ(ネタバレ)とセリフ、感想
SWEET & LOWDOWN (1999)
ギター弾きの恋
ジャズのギタリストを主人公にしたラブストーリー。
ウディ・アレン監督作品で、ショーン・ペンが主人公のエメットを演じています。
エメットは虚栄心が強くて、身勝手で、自堕落で、結構どうしようもない性格の人物なのですが(苦笑)、彼の弾くギターは豊かな感性にあふれていて、聴く人を惹きつける。
普段はふざけてばかりのエメットが、ギターを手にするとがらりと表情が変わり、ジャズへの愛が伝わってくる、そのギャップが素敵でした。
切ないラブストーリーとともに、全編に流れる音楽も楽しめる映画でした。
ジプシー・ジャズと言う言葉はこの映画で始めて聞きましたが、もともとフランスでジャンゴ・ラインハルトが始めた、ジプシーの伝統的な音楽と、スウィングジャズとを融合させた音楽らしいです。
軽快でありながらほのかに哀愁が漂う感じで、良いですね☆
映画のあらすじ(ネタバレ)
ジャズギタリストのエメットは、天才的な音楽の才能を持ちながらも、酔っ払ってライブに遅刻したり、すっぽかしたり、借金を重ねたりと、だらしのない生活を送っている。
女性に関しても、遊ぶのは好きだけれど「縛られたくない」と考えています。
そんな時、彼は口のきけない女性・ハッティに出会います。
ハッティはピュアで気の優しい女性で、エメットの奏でる音楽に聞き惚れ、彼に惚れ込んでしまいます。
初めは「口のきけない女なんて冗談じゃない」と言っていたエメットも、彼女と一緒にいるうちに気持ちが安らかになるのを感じ、彼女のことを愛するようになります。
ハッティ役のサマンサ・モートンが可愛らしくて良いです☆
エメットのことを一途に思い続ける眼差しや、愛嬌のある微笑み、彼が浮気した時の哀しい目。表情だけでハッティの気持ちがよく伝わってきました。
英語のセリフ
エメットがハッティのことに関して言うときのセリフです。
good hearted 心の優しい
genuinely 真に、純粋に
ハッティの優しい心を愛しく思いながらも、人生それだけじゃ生きていけない、というエメット。
さらに彼はどうしようもなく見栄っ張りな性格で、自分を天才的なアーティストだと吹聴し、洗濯屋で働くハッティを自分にはふさわしくない女だと考えている様子。
彼はついにハッティを捨てて、別の女性と結婚してしまいます。
美しく、セクシーで、上流階級出身の妻(ユマ・サーマン)は、彼にとっては見せびらかしたいだけの、アクセサリーのような存在に過ぎなかったのだと思います。
結局妻とは心が通い合うことはなく、エメットはハッティのもとに戻ろうとします。
でもハッティはすでに他の男性と結婚して家庭を持っていた…
そこでエメットは初めて自分がどんなにハッティを愛し、必要としていたかに気がつくことになります。
エメットがかつて付き合った女性たちは彼にこう言いました。そのセリフです。
lock up 鍵をかけて保管する
感情を自分の内に閉じ込めていたエメットが、ラストシーンで初めて感情を表に出して涙を見せます。
そのシーンには胸が締めつけられました。
彼は I made a mistake.
と言います。
ハッティを捨ててしまったことを言っているのですね。
一番大切な人を失ってしまったことに気がついた切なさ…。
何よりも大事にしていたギターを、彼は叩き壊してしまいます。
彼の壊れた心を表しているかのよう。
しんみりと味わい深いラストでした。
映像配信サービスの「dTV」で鑑賞しました。