ギルバート・グレイプ 映画のあらすじ(ネタバレ)と英語セリフ、評価感想
WHAT'S EATING GILBERT GRAPE (1993)
ギルバート・グレイプ
ジョニー・デップ主演、アメリカの中西部にある小さな町を舞台にした家族の物語です。
若くして父親を失い、それ以来家族の面倒をみなければならなくなった青年・ギルバート・グレイプ。
彼は田舎町の日常生活に倦みながらも、その土地に縛り付けられている。
彼は家族を愛してはいるけれど、どこにも行けない閉塞感を感じていて、その苦しさがよく伝わってきました。
ギルバートがある女性と出会うことで、行き止まりにいた彼の心境に変化が訪れます。
ジョニー・デップの淡々とした静かな抑えた演技、知的障害を持つ弟役のレオナルド・ディカプリオ、自由で爽やかなベッキーを演じたジュリエット・ルイスなど、俳優たちがとにかく素晴らしいです☆
映画のあらすじ(ネタバレあり)
ギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)は、町の小さな食料雑貨店で働く青年。
彼の父親は昔自殺してしまい、そのショックで過食症となった引きこもりの母親、知的障害を持つ弟のアーニー(レオナルド・ディカプリオ)と、問題を抱えた家族の面倒に追われる日々。
彼は自分の生活に行き詰まりを感じているけれど、家族の世話で忙しくて自分自身のことを考える時間もないのですね…
そんなある日、トレーラーで暮らしながらあちこち旅をしているという不思議な女の子・ベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会います。
自由な雰囲気を持った彼女にギルバートは惹かれていきます。
英語のセリフ
出会って間もない頃のギルバートとベッキーの会話のセリフです。
彼女は自分の考え方について話します。
externally 外見上、外面的に
be into~ ~にこだわる
last 続く
ベッキーに「何がしたいの?」と聞かれ、「わからない」と答えるギルバート。
ベッキーと出会ったことで、彼は自分自身の生活を見つめ直すことになります。
彼女は旅の多い生活らしく、ギルバートに「私の人生は移動してばかり」と言います。
back and forth あちこち
ベッキーが清々しく開放的な雰囲気なのは、旅の多い生活によるものなのでしょう。
ギルバートは彼女に「僕らも移動してみたいけど母親がいるからな」と言います。
普段は淡々としているギルバートが、ベッキーの姿を目にすると眩しいものを見るように表情が微妙に変化するのが印象的でした。
ギルバートがベッキーに、自殺してしまった父親のことについて語るシーンの会話が心に残りました。
「生きているときから死んでいるみたいだった」と父親について語るギルバートに、ベッキーは「そんな男性を知ってるわ」と答えます。
ベッキーはギルバートのことを言っているのですね。
家族の世話に追われてばかりで、自分自身のことを考える暇がなく、自分の感情を抑えることに慣れてしまったギルバート。
まさしく彼の父親のよう…
自由な精神を持った優しいベッキーの存在によって、そんなギルバートの心が開いていく様子にじんと温かい気持ちになりました。
家族の”別れ”が訪れるラストは、切なく哀しくも感動的。
くすぶったような田舎町で青春期を送る青年の苦しさと希望を描いた名作映画だと思います。
テイク・ディス・ワルツ 映画のあらすじ(ネタバレ)、感想、セリフ
TAKE THIS WALZ (2011)
テイク・ディス・ワルツ
若手の女流監督サラ・ポーリーによる映画。
この人は「死ぬまでにしたい10のこと」などの作品に出ていて、印象的な女優さんでしたが、監督もこなしているのですね。
一見とても仲の良い夫婦の間に忍び込む倦怠感と、微妙な心のすれ違いが繊細なタッチで描かれた作品です。
ミシェル・ウィリアムズがどこか夢見がちな主人公を好演しています。
「ブルー・バレンタイン」を観て以来お気に入りの女優さんです。
あくまで自然体なところが好きです(*^^*)
映画のあらすじ(ネタバレあり)と英語のセリフ
マーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)にはルー(セス・ローゲン)という優しい夫がいて、二人は結婚して何年も経つけれど、恋人同士のように仲の良い関係。
でも実は二人の間には親密な会話がなく、マーゴが二人の関係についてのまじめな話(子どもを作ることとか)を持ち出しても、ルーはすぐに話を逸らしてしまう。
二人は結婚記念日に食事をしにレストランへ出かけるのですが、黙々と料理を食べるだけ。
たまりかねてマーゴが口を開きます。その会話のセリフです。
a bit 少し
weird 奇妙な
「お互いのことを全部わかっているのに、何を話すんだ?」というルー。
「それはそうだけど…」と口ごもり、寂しそうな顔をするマーゴ。
彼女は善良な夫を愛してはいても、結婚生活に満たされてない思いを抱えています。
そんなある日マーゴは旅先でダニエル(ルーク・カービー)という青年と出会います。
彼が偶然家の近所に住んでいることがわかり、一緒に過ごす時間を持つうちに、彼と恋に落ちます。
マーゴとダニエルはお互いの気持ちをわかっていながらも、中々一歩踏み出せずにいます。
二人のロマンスには現実ではないようなふわふわした浮遊感があり、マーゴが現実の夫との生活と、ダニエルとのロマンスの間を漂っている感覚が面白かったです。
ついにマーゴは夫のルーに他の男性を愛していることを告げる決心をします。
そのシーンでのルーのセリフです。
go away 過ぎ去る
beg 懇願する
humiliate 侮辱する
「何かがおかしいことがわかっていたけれど、ただ過ぎ去ることを望んでいたんだ」
夫婦間の微妙なすれ違いを、そういうことはよくあるものだとして、ただ過ぎ去ることを待っていたけれど、ルーの気がつかないうちに、取り返しのつかないほどに大きくなっていたのですね…
マーゴはルーの元を去り、ダニエルと暮らし始めます。
しかし初めは情熱的だった彼らのロマンスも、それがいったん「現実」として落ち着いてしまうと、しだいに倦怠が生まれていきことになります…
最終的にはマーゴの生活は、住む家が変わっただけでルーと一緒に暮らしていた頃と何も変わらないように見えます。
彼女は結局同じ満たされなさを抱えている。
現実のシニカルな成り行きを、永遠に満たされることのないワルツを踊っているように切なく見せる、独特の映像の撮り方が面白かったです。
若い女性の目線で夫婦関係のあり方を見つめた作品。
華麗なるギャツビー 映画のあらすじ(ネタバレ)、セリフ、名言
THE GREAT GATSBY(2013)
華麗なるギャツビー
自分の全人生を1人の女性への愛へ捧げた男の物語。
このうえなく壮大で純粋なラブ・ストーリーです。
スコット・フィッツジェラルドの名作小説を、「ロミオ&ジュリエット」の監督バズ・ラーマンが映画化。
きらびやかなエンタテイメントに仕立て上げられています。
映画のあらすじ(ネタバレあり)
ニック(トビー・マグワイア)はニューヨークの証券会社に勤めるサラリーマン。
彼は郊外のロング・アイランドに越してきます。
彼の家の隣には、お城かと見まごうような豪邸が建っており、そこでは夜な夜な派手なパーティーが催されています。
ニックはある日そのパーティーに招待されて、豪邸の主人であるジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と知り合いになります。
ギャツビーは物腰の穏やかな若い紳士で、ニックのいとこであるデイジー(キャリー・マリガン)と会う機会を作って欲しいと彼に頼みます。
ニックはギャツビーとデイジーが5年前に恋人同士だったこと、ギャツビーが戦争に行かなければならなくなり二人が別れたことを知ることになります。
デイジーはその後結婚し、湾を挟んだ真向かいに住んでいます。
ギャツビーは今でも変わらずデイジーを愛し続けており、今の豪邸に住んでいるのは彼女の近くにいるためであり、豪華なパーティーを催し続けているのは、いつか彼女を招待するためなのでした…
英語のセリフ、名言
ニックは約束どおりギャツビーとデイジーを引き合わせます。
デイジーもまたギャツビーのことを忘れたことはなく、彼の愛に感激し、二人はすぐに昔の関係に戻ります。
デイジーがギャツビーに向かって言うセリフです。
on earth この地上で
ここでは everything を強調する意味で使われています。
I wish it could be always like this.
ずっとこんな風にいられたらいいのに。
デイジーのこの言葉には、現実はそうでないけれど、そうであったらいいのに、という思いが込められています。
でもギャツビーは「これからそうなるよ」と固く信じています。
ここに二人の心のすれ違いが表れているようですね…
ギャツビーはニックに「デイジーとの関係を初めからやり直す」と言います。
その際のセリフです。
start over やり直す
ask too much of her 彼女に多くを求めすぎる
I wouldn't ~
ニックはこの表現を使うことで、「僕なら~しないな」と伝えているのですね。
5年前に戻って初めからデイジーとやり直すというギャツビーに、「過去は取り戻せないよ」というニック。
それ対して、「もちろんできるとも」と答えるギャツビーの言葉に、哀しい気持ちになりました。
なぜなら、私も過去を繰り返すことはできないと思うから。
それだけにギャツビーの真摯でひたむきな想いが胸に切ないのです。
ギャツビーは完璧な愛をデイジーに求め、夫であるトムを愛したことはなかった、と彼女に言わせようとします。
トムと結婚したのは、自分と別れてしまって絶望していたからなのだと。
それに対してデイジーが泣きながら言います。そのセリフです。
can't help どうしようもない
ギャツビーの愛情を重荷に感じるデイジー。
彼女は弱さと愚かさを持った生身の人間であり、完璧を求めるギャツビーの愛情には応えることができない。
キャリー・マリガンが、過去への夢を抱きながら、現在の愛に苦しむ、デイジー役を好演していました。
最後に、デイジーを失うの同時に、ギャツビーの人生も終わりを迎えてしまうことになります。
人生の全ての夢と野望を一つの恋愛に託した男の終末が哀しく心に残ります。
妹の恋人 映画のあらすじ(ネタバレ)、英語のセリフ、感想
BENNY & JOON (1993)
妹の恋人
ジョニー・デップ主演、彼のチャーミングなコメディアンの魅力が堪能できる作品♪
ジョニー・デップ演じるサムの話すシーンはあまりなくて、その代わりにおかしなパントマイムで彼のキャラクターが表現されています。
彼のコミカルな表情やパントマイムを見ているだけでとにかく楽しめます(^^)
心に病を持った女の子の心をパントマイムによって少しずつ開いていくという優しい物語。
映画のあらすじ(ネタバレあり)
自動車修理工のベニー(エイダン・クイン)には、ジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)という妹がいます。
ジューンは幼い頃に両親を失って以来、心を病んでしまっています。
ベニーはそんな妹を大切に思っていますが、彼女の世話に追われる日々に少し疲れを感じ始めています。
そんなある日、友人の従兄弟である奇妙な青年サム(ジョニー・デップ)を引き取る羽目に。
サムはあまり口をきかず、世間の常識もあまりなく、得意のパントマイムで他人とコミュニケーションをとります。
初めはうんざりしていたベニーも、しだいにサムの才能に感心して彼を家族のように受け入れるようになります。
サムは無口ですが、パントマイムに彼の心の優しさやユーモアが溢れている。
ジューンはそれを感じ取り、サムに心を開きます。
そして二人は恋人同士に…。
この過程がキュートでロマンティックで素敵です。
でも二人の関係を知ったベニーは激怒して、サムを追い出してしまいます。
英語のセリフ
ジューンとサムは家出をしようとしますが、ジューンは途中で精神の調子がおかしくなって病院へ運ばれます。
そこへ駆けつけたベニーが、サムを責めます。その時のベニーのセリフです。
stay away from ~ ~から離れている
idiot ばか、白痴
ベニーに対して、サムはこう答えます。そのサムのセリフです。
look up to ~ ~尊敬する
普段は無口のサムが、自分の心の内をあらわにした、ほとんど唯一のセリフです。
サムの純粋な目と、言葉の鋭さが印象的でした。
ベニーがジューンとサムの関係を認めようとしないのは、自分だけが妹を守ってやれるというエゴであり、妹を失ってしまうことを恐れているのだと、サムは見透かしているのですね。
ベニーはそんなサムの言葉にはっとし、反省します。
そして何とかしてジューンと話をしようとしますが、彼女は心を閉ざしてしまっています。
ジューンがベニーに向かって言うセリフです。
scare~ away ~を怯えさせて遠ざける
自分の頭がおかしいことをサムに知られてしまって、「彼を怖がらせてしまった」という悲しむジューンが痛々しい。
兄の愛情を重荷に感じ、「自分を憎んでいる」とさえ錯覚してしまう。
絶望感からうつ状態に陥ってるジューンの前に、サムが思いがけない形で登場します…
窓の外でサムがブランコに揺られている場面は名シーンだと思います。
ジューンの心が救われる瞬間。
あまりの優しさとおかしさに、笑いと涙がこみあげてきてしまいました。
ジョニー・デップの魅力だけでなく、兄のベニーを演じたエイダン・クイン、繊細なジューンを演じたメアリー・スチュアート・マスターソンもとても良かったです☆
心が優しくほっこりする良作でした(^^)
映像配信サービス「dTV」で配信されていたので観ました。
また観たい作品です♪
月に500円で映画が観放題なので、何度でも気に入った映画が観られます。
動画配信サービスはここが一番安いんじゃないかな。おすすめです。
ティファニーで朝食を 映画のあらすじ(ネタバレ)、名言、セリフ
BREAKFAST AT TIFFANY'S (1961)
ティファニーで朝食を
おしゃれで小粋なロマンティック・コメディですね!
カポーティの小説を映画化したものですが、小説とは別物という感じ。
この作品が名作なのは、主演のオードリー・ヘップバーンの魅力によるところが大きいと思います。
ヘンリー・マンシーニ作曲の有名な「ムーン・リバー」は素晴らしいです!
冒頭からこの音楽が流れ出して、シックな黒いドレスに身を包んだオードリーが、ティファニーのウィンドウに佇み、コーヒーを飲みながらクロワッサンを食べる。
このシーンで一気に映画の世界に引き込まれてしまいました(^^)
映画のあらすじ(ネタバレあり)
ホリー(オードリー・ヘップバーン)は、自由奔放な精神を持った不思議な女性。
「自分が本当に求めている理想の場所に出会えるまでは、何も所有しないし、所有されたくない」
そう言って、部屋には必要最低限の物しか置いていないし、猫にも「たまたま川辺で会って一時的に一緒に暮らしているだけ」として名前をつけていません。
ある日、彼女の部屋の真上に、作家を志している青年・ポール(ジョージ・ペパード)が引っ越してきます。
ホリーは穏やかな優しいポールに、軍隊生活をしている弟・フレッドに似ているものを感じて、親近感を覚えます。
ポールもまた、不思議な魅力のあるホリーに惹かれ、二人はたちまち仲良くなり親友のような間柄になります。
友人同士として付き合ううちに、しだいに二人の間に恋が芽生えます…
英語のセリフと名言
ポールはホリーに愛していることを告げますが、ホリーは彼を愛していながらも、「誰にも所有されたくない」と深い関係になるのを拒みます。
その会話の際のセリフです。
belong to~ ~に所属する
put ~ in a cage ~をケージ(檻)に入れる
人を愛し愛されることを「檻に入れられる」ことだとして、激しく拒否反応を示すホリー。
彼女はポールの気持ちを拒み、自分の夢=理想の場所を見つけることを追い続けようとします。
ホリーは野生動物のように純粋に、本能的に「自由」を求める心があって、それが彼女を特別な存在にしているのだと思います。
でもそれゆえに自分が本当に愛し、大切にしているものがわからなくなり、見失ってしまいそうになります…
そんなホリーに向かってラストに言うポールのセリフが心に響きました。
terrified 恐れている
stick in 突っ込む
no matter ~ ~しようと何だろうと
「君は自分で作った檻の中にいて、どこへ行こうとも自分自身にしかたどりつけないんだ」
このセリフは名言だと思いました。
自由な精神を追い求めるつもりが、束縛されるのを恐れるあまりに人を愛することが出来ず、結局ホリーは自分自身以外のどこへも行けなくなってしまっていたのですね。
ポールのこの言葉がホリーの心の救いとなって、南米に行こうとしていた彼女をとどめることになります。
おしゃれなロマンティック・コメディとして気軽な気持ちで観ていたのですが、ラストシーンでは、私も知らず知らずのうちに自分自身で作り上げた檻の中に自分を押し込めていないかどうか、ちょっと考えさせられてしまいました。
ふたりのパラダイス 映画のあらすじ(ネタバレ)、感想、セリフ
WANDERLUST(2012)
ふたりのパラダイス
ジェニファー・アニストン主演のロマンティック・コメディ。
ジェニファー・アニストンはドラマ「フレンズ」でとても好きになった女優さんですが、フレンズのレイチェル役の印象が強すぎて、映画ではあまりしっくりくるものがありません…
でもこの「ふたりのパラダイス」は面白かった!
ジェニファー・アニストンの自然体のコメディエンヌとしての魅力が全開☆
ポール・ラッドとの相性もばっちり。おとぼけカップルの珍道中を楽しんで観ることができました(^^)
映画のあらすじ(ネタバレ)
ジョージ(ポール・ラッド)とリンダ(ジェニファー・アニストン)は、ニューヨークに住む夫婦。
念願のアパートをようやく手に入れたはいいものの、ジョージが仕事をクビになってしまい、仕方なく仕事を斡旋してくれるというジョージの兄の世話になることに。
車でアトランタへ向かう旅の途中で、彼らは奇妙なヒッピー・コミューンに一泊することになります。
外界から閉ざされ、70年代から時の止まってしまったようなコミューンで、温かい歓迎を受ける二人。
彼らはそのもてなしに感激し、とりあえず2週間コミューンに滞在してみることにします。
英語のセリフ
コミューンのリーダー的な存在であるセス(ジャスティン・セロー)がコミューンの精神について述べるセリフです。
Who knows? 誰にもわからない
fill with~ ~で満たす
人生を、自然と笑いと友情と愛とで満たすこと、それが彼らのコミューンのモットー。
都会の生活に慣れ親しんできたジョージとリンダは、その考えに共感し、戸惑いながらも彼らの自給自足の生活に馴染もうとします。
この過程がかなりおかしい。
例えば彼らは「ドアはお互いから閉ざされてしまう」として、一切ドアをつけないので、トイレもオープンなのです。
どうしても違和感を感じて馴染むことのできないジョージ。
その気持ちはわかります(苦笑)
一方でリンダはコミューンの生活に適応するについれて生き生きとしていきます。
2週間後にリンダはジョージに「ここに留まりたい」と言います。そのセリフです。
I like how I feel about myself
リンダのこの言葉が印象的でした。
ようやく自分の居場所を見つけることができた、と感じているのでしょう。
それに対して、溶け込むことの出来ないジョージは、コミューンを出てしまいます。
そこへリーダーのセスがリンダに横恋慕し、彼女を誘惑しようと試みます…
ジャスティン・セローが演じるセスのキャラクターもかなりおかしいです。
意味不明に叫んだり踊りだしたり(?)
最後のすったもんだの乱闘シーンも笑えました。
色々あった後に、最後にジョージとリンダはやはりお互いを必要としていることに気がつきます。その際のジョージのセリフです。
You are where I want to be. 「君が僕のいたい場所だ」
良い言葉ですね☆
最後に夫婦関係を見つめなおして大団円となる、オーソドックスな物語なのですが、登場人物たちのキャラクターや、コミューンの生活がとにかく面白かったです。
肩が凝らず軽快に楽しめます☆
ラースと、その彼女 映画の名言、セリフ、あらすじ(ネタバレ)
LARS AND THE REAL GIRL (2007)
ラースと、その彼女
人形の女性に恋をした孤独な男性のラブ・ストーリーです。
そういうと頭がおかしく気持ち悪いようですが、この映画の主人公・ラースは痛々しいまでに繊細で、優しい心の持ち主で、他人と触れ合うことに痛みを覚えてしまう。
彼の心が救われるためにリアル・ドールであるビアンカを必要としていたのだと思うと、とても切ない気持ちになります。
映画のあらすじ(ネタバレ)
穏やかで優しい性格だけれど、孤独で人付き合いの苦手な青年・ラース(ライアン・ゴズリング)。
兄夫婦はそんな彼を心配していましたが、ある日彼は恋人を紹介すると言って家に連れてきます。
でもなんとラースが連れてきたのは、ネットで注文した等身大のリアル・ドールのビアンカだった…
兄夫婦は動転し、ラースが気が狂っていると思って病院へ連れて行きます。
そこで医師はラースに理解を示し、ビアンカはラースの心が必要としているのであり、調子を合わせてあげることを提案します。
初めは戸惑い、気味悪がっていた兄夫婦や、町の人々も、調子を合わせてラースを見守るうちに、ビアンカを本当の人間であるかのように受け入れていくようになります。
その過程が本当に優しく、観ていて心が温まりました。
物語の進行していく中で、ラースが育った環境において、温かみのある愛情を受ける機会のなかったことが示唆されています。
それゆえ彼は人との触れ合いに痛みを覚えるようになってしまった。
ラースの孤独や痛みを知らなかった兄夫婦や、町の人々が、そのことに気がつき、彼の妄想を受け入れます。
ビアンカの存在を通して、ラースはゆっくりと少しずつ人々の輪の中に入っていけるようになります。
英語のセリフ
ラースの兄のガスが、今まで自分のことにかまけてばかりで弟のことを考えなかったと妻に言い、涙をみせます。その際のセリフです。
that thing これは人形であるビアンカのことを指しています。
母親を亡くして以来、ひどく陰気になってしまった父親のもとに、幼いラースを残して自分だけ家を出てしまった。
そのことでラースに対して申し訳なく思うガスの心情が表れているセリフです。
ぎくしゃくしていた兄弟の関係も、ビアンカの存在を通して、少しずつ心が通い合うようになっていきます。
兄嫁のカリンは「僕のことなんて誰も気にもかけない」とぼやいたラースを叱ります。
その時のセリフです。
bend over backwards to~ ~を一生懸命する
don't you dare ~ ~しないでよ
よくもまあ、といったニュアンス。
皆あなたを愛しているからビアンカを懸命に受け入れようとしているのに、私たちがあなたのことを気にもかけないなんて言わないでよ ―
泣きそうになりながらそう言うカリンのセリフに、胸がじんとしました。
ラースが、カリンや、兄や、町の人たちの愛情に触れるうちに、少しずつ人と関わることへの恐怖が和らいでいきます。
彼が心底人との繋がりを求めていて、そのために人形であるビアンカの存在が必要であったのですね。
でも本当に彼が人々と繋がって生きていくためには、ビアンカという魔法の存在を自分自身で解かなければならない…
湖のほとりでのラースとビアンカのキス・シーンは、どうしようもなく切なくて涙が出ました。
人間の男性と人形の女性の恋が、これほどまでに美しいラブ・ストーリーになるとは…!
良い意味で期待を裏切られました。